取り調べに対して長らく完全黙秘を貫いていた木村容疑者ですが、捜査機関の解析や過去の記録から、その犯行意図の輪郭が次第に明らかになってきました。単なる突発的な暴力ではなく、国家の法制度に対する根深い怨恨が行動原理の根底にあったと分析されています。
木村容疑者は事件の前年、参議院議員選挙に年齢要件(30歳以上)および供託金300万円の壁によって立候補できなかったことを不服とし、国を相手取って損害賠償を求める民事訴訟を起こしていました。訴状において自らの政治的権利が侵害されたと主張したものの、請求は棄却。この法的な敗訴体験が、既存の議会制民主主義や現職首班への直接行動へと歪んだ形でエスカレートした決定打とみられています。
木村容疑者の供述内容は捜査段階では限定的であったものの、押収された端末の履歴や陳述書の記述からは「選挙制度に風穴を開ける」「自らの主張を社会に知らしめる」といった自己顕示と被害妄想が混濁した心理が読み取れます。政治テロとしての側面を持ちながらも、個人の挫折感を公権力へぶつけるという現代特有の論理構造が浮き彫りになっています。