皮膚にくっついたマダニを発見した際、驚きのあまり指や通常のピンセットでつまんで一気に引き抜こうとする行為は極めて危険です。マダニの口器には「セメント様物質」と呼ばれる強固な固定物質と逆とげ構造があり、皮膚の深部にガッチリと喰い込んでいます。
無理やり引っ張ることで生じる主なリスクは以下の3点です。
- 口器の皮膚内残留:頭部やノコギリ状の口器だけが皮膚の中に千切れて残り、異物反応による激しい化膿や肉芽腫の原因になる。
- 感染リスクの増大:虫体の腹部を強く圧迫することで、マダニの体液や病原体が逆流し、人体内に一気に注入されてしまう。
- 傷跡が治らない原因に:組織の挫滅によって傷跡が長期にわたり硬いしこりや色素沈着として残り続ける。
市販の専用マダニ除去器具(ティックツイスター等)を所持していない限り、自分でむしり取るのは絶対に避け、そのままの状態で速やかに医療機関を受診するのが最も確実な安全策です。