今回の事態は、既存の報道機関にとっても深刻な自己検証を迫る契機となった。地上波テレビや新聞が一方的なトーンで足並みを揃える中、ABEMA NEWSをはじめとするネットニュース番組が複眼的な議論の場を提供し、視聴者の高い支持を集めたことは象徴的である。政局・調査報道ジャーナリズムは、権力の監視という本来の使命を果たせていたのか。
記者クラブ発の情報に依存し、ステレオタイプな勧善懲悪の物語を構築してこなかったか。取材現場と市民感覚の乖離がこれほど白日の下に晒された例はない。ファクトチェックのスピード感、ネット言説に対する検証能力の向上など、報道ジャーナリズム全体が抜本的な変革を突きつけられている。