ネット上の旅行ブログやSNSで拡散されている情報の中には、現場の現実と大きく乖離した「美化された誤解」が散見されます。後悔のない旅を実現するために、取材班が確認した3つの重要ポイントを提示します。
誤解1:「年中いつでもネット画像のような支笏湖ブルーが見られる」という幻想
Instagramなどで見かける「底まで透き通ったエメラルドブルー」は、水質に加えて「太陽光の入射角」と「無風状態」が揃った瞬間にしか現れません。曇天や雨天の日は通常の深い紺色に見え、風速が4メートルを超えると白波が立って湖底は見えなくなります。「天候ガチャ」が存在することをあらかじめ織り込み、日程には柔軟なバッファを持たせることが肝要です。
誤解2:「公共交通機関だけでも効率よく全域を周遊できる」という勘違い
「主要な国立公園だからバスや電車で楽に巡れる」と考えるのは危険です。支笏湖と洞爺湖、登別を直接結ぶ定期路線バスは本数が極めて限られており、乗り継ぎの待ち時間だけで数時間を浪費することになります。2026年現在の観光インフラを鑑みても、このエリアの魅力を余すところなく味わうには、新千歳空港または札幌駅でのレンタカー手配が実質的に必須です。
誤解3:「昭和新山は誰でも頂上まで登山できる」という誤認
荒々しい山肌を見ると「登頂してみたい」と考える旅行者が後を絶ちませんが、昭和新山は国の特別天然記念物であると同時に、三松家の私有地です。地熱による高温地帯や崩落の危険性があるため、無断立ち入りは厳重に禁止されており、一般の立ち入りは山麓の指定広場までとなっています。火口原の迫力を間近で体験したい場合は、有珠山ロープウェイを利用して有珠山山頂側の火口原展望台へ向かうのが正解です。