ネット上の掲示板やSNSでは、従来の銀行感覚のまま楽天銀行を使い始めたユーザーによる「ATMに行ったら振込ボタンがなかった」「スマホ決済の手数料無料送金(ことら送金)で検索に出てこない」といった戸惑いの声が定期的に話題に上ります。ネット専業銀行特有の構造的な制約を正しく把握しておくことは極めて重要です。
最大の盲点は、セブン銀行やローソン銀行、ゆうちょ銀行などの提携ATMから直接振込を行うことができないという事実です。メガバンクのキャッシュカードであれば、ATMに現金やカードを挿入してその場で振込先口座番号を入力して送金できますが、楽天銀行のキャッシュカードがATMで受け付ける取引は「預け入れ(入金)」と「引き出し(出金)」のみに限られます。振込を実行したい場合は、現金をATMで一度口座へ預け入れ、その後にスマートフォンアプリを開いて振込手続きを行う必要があります。
また、10万円以下の個人間送金を各行アプリから手数料無料で実現するインフラとして普及が進む「ことら送金」について、楽天銀行は非対応のスタンスを取っています。電話番号やメールアドレスを指定した少額送金をことら経由で行うことはできません。
その代替策として楽天銀行が自社開発して提供しているのが楽天銀行 かんたん振込 メルマネです。相手の口座番号を知らなくても、メールアドレス(または携帯電話番号)と口座名義の氏名さえ把握していれば送金リンクを発行できる仕組みです。受取人が送信された案内メール内のリンクから自身の保有口座(楽天銀行以外の他行口座でも可)を指定して受け取るフローとなっており、幹事への飲み会代金支払いやフリマ取引など、プライベートな口座番号を開示したくないシーンで幅広く活用されています。