出品される財産の背後には、それぞれ異なる行政機関の思惑と政策方針が存在する。国税庁が所管する案件は、大型の事業用不動産や高額な貴金属、企業所有の特許権など多岐にわたり、規模の大きさが際立つ。対して財務省が担当する国有財産の売却は、未利用の庁舎跡地や土地案件が中心であり、権利関係が極めてクリアな状態で出品される傾向が強い。
地域密着の地方公共団体による公売は、放置された農地や空き家、あるいは市役所の役目を終えた車両など多種多様だ。公売・競売市場全体を見渡すと、供給元ごとの特性を見極めることが成功への近道となる。行政側は未収金の早期清算を第一目標としているため、売却基準価額が市場評価よりも抑えめに設定されるケースが多く、市場参加者にとっては構造的な価格の歪みが生まれる絶好の場となっている。