多くの客が目当てにするのが、看板メニューの二大巨頭である「麻婆豆腐」と「よだれ鶏」です。メディアの取材や食通の手記でも絶賛されるこれらの一皿には、計算し尽くされた調理理論が宿っています。
まず、中華旬彩森本 麻婆豆腐の神髄は、幾重にも重なる香りと食感のレイヤーにあります。独自にブレンドされた熟成豆板醤と豆豉(トウチ)のコク、粗挽き肉から滲み出る濃厚な脂の甘み、そして仕上げに振りかけられる香り高い花椒(ホアジャオ)の痺れが舌先を心地よく刺激します。単に舌を麻痺させる激辛ではなく、ベースとなる上質な中華スープの旨味がしっかりと土台を支えているため、最後の一口までレンゲが止まりません。絹ごし豆腐の滑らかな舌触りと挽肉の力強い弾力の対比も秀逸です。
そして、もう一つの代名詞が中華旬彩森本 よだれ鶏です。「その美味しさを思い出すだけでよだれが出る」という語源を持つ四川古典料理ですが、森本氏のプレゼンテーションは一線を画します。運ばれてきた器を見て誰もが目を見張るのは、表面を覆い尽くすほどの大量の白胡麻です。
しっとりと極限まで柔らかく火入れされた国産鶏の胸肉に、自家製辣油、香醋、中国醤油、香味野菜をブレンドした特製タレが絡み合います。胡麻のプチプチとした香ばしさとタレの甘酸っぱさ、そして後から追いかけてくる上品な辛味が一体となり、言葉を失うほどの多幸感をもたらします。常連客の間では、残った絶品タレをご飯にかける、あるいは追加の麺に絡めて一滴残らず堪能するのがもはや暗黙の作法となっています。