「同じダイニングセットなのに、出張査定では数百円と言われ、自分で運んだら数千円になった」という体験談は、決して都市伝説ではありません。この現象が生じる決定的な背景には、家具買取持ち込み査定の理由として業界内で常識視されている、圧倒的な物流コストの差が横たわっています。
家具は衣料品やデジタル家電と異なり、保管と輸送に膨大な体積を占有します。出張買取を1件実行する場合、ドライバーと査定スタッフの最低2名体制が組まれ、2トントラックの手配費用、燃料代、移動中の拘束時間が発生します。大手リユース企業の運行管理者によると、トラック1台が稼働するだけで1件あたり8,000円から1万2,000円前後の見えない運行原価が差し引かれています。そのため、出張買取で提示される査定額は、その輸送コストをあらかじめ販売予測利益から相殺した「差し引き後の数字」にならざるを得ません。
一方で、利用者が自ら荷台に載せて店舗へ運ぶ店頭持ち込みは、業者側から見れば物流費がゼロの状態で商品が入荷することを意味します。店舗側は浮いた配送コストの一部を買取価格へ還元できるため、必然的に持ち込み査定のほうが高値を付けやすくなります。ネット上の家具出張買取おすすめ評判を鵜呑みにして「自宅まで無料で来てくれるからお得」と短絡的に依頼すると、本来手元に残るはずだったキャッシュを逃す結果になりかねません。