ヨーロッパで死刑が廃止された真の理由|日本との決定打と歴史の真実

ヨーロッパで死刑が廃止された真の理由|日本との決定打と歴史の真実

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欧州全体で死刑廃止が定着した最大の推進力は、超国家的な条約網と政治統合のルール作りにあります。

先陣を切ったのは、1949年に設立された欧州評議会(Council of Europe)でした。欧州評議会は一貫して死刑反対の立場をとり、1983年に欧州人権条約第6議定書(平時の死刑廃止)、2002年には第13議定書(戦時を含むいかなる状況下でも死刑を完全禁止)を採択しました。

そして決定打となったのが、EU(欧州連合)への拡大プロセスです。EUは1993年のコペンハーゲン欧州理事会において、新規加盟を希望する国が満たすべき基準(通称コペンハーゲン基準)を策定しました。その政治的条件の筆頭に「民主主義、法の支配、人権の尊重」が掲げられ、欧州人権条約第6議定書の批准、すなわち死刑廃止がEU加盟の絶対条件として義務づけられたのです。

冷戦終結後、旧東欧ブロックの国々は西側経済圏への統合とEU加盟を悲願としていました。ポーランド、ハンガリー、チェコ、ルーマニアなどは、国内に死刑存置論が残っていたにもかかわらず、EU加盟のパスポートを手に入れるために法改正を行い、死刑を全廃しました。国際枠組みによる外圧が、地域全体の制度転換を決定づけたといえます。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。