神社という神聖な場に赴くお宮参りでは、神様への敬意を示すフォーマルウェアが基本です。しかし、ここで最も多くの人が陥る罠が「格(フォーマリティ)の不一致」です。お宮参りの装いを決める際は、何よりもまず赤ちゃんの衣装を基準にした格のピラミッドを理解しなければなりません。
大原則として、主役はあくまで赤ちゃんです。赤ちゃんが白羽二重(しろはぶたえ)の上に豪華な祝着(産着・掛け着)を羽織る正装の場合、両親は「準礼装」または「略礼装」を選択します。赤ちゃんよりも両親の装いが目立ったり、華美になりすぎたりするのはマナー違反と見なされます。現在主流となっているセレモニードレスの場合も同様で、洋装のフォーマルで統一感を演出するのが美しいバランスとされています。
とりわけ注意すべきは、夫婦間における格の不一致です。育児雑誌や現場のプロが指摘する典型的な失敗例として、「母親は格式高い訪問着(着物)を着ているのに、父親はオフィスカジュアル感覚のノーネクタイやチノパン姿で並んでしまう」というケースが挙げられます。片方が和装やフォーマルスーツで決めている場合、もう片方が略式すぎると、並んだ際にちぐはぐな印象を周囲に与えてしまいます。
夫婦で並ぶ際の黄金比は極めて明快です。母親が訪問着などの和装であれば、父親はブラックスーツまたは濃紺・ダークグレーのフォーマルスーツを着用します。母親が上品なフォーマルワンピースやセットアップを選ぶなら、父親も清潔感あるビジネススーツを合わせます。お宮参りにおける親の服装の格の揃え方は、事前の夫婦間でのすり合わせがすべての成否を握っています。