午後4時。最終下校時刻までの限られた時間の中で、練習は秒刻みの精度で進行する。ダラダラとした声出しや無駄な待機時間は一切ない。グラウンドの片隅では、三脚に設置された超高速カメラとiPadが作動していた。打撃フォームや投球の回転数をリアルタイムで可視化し、選手同士がその場で画面を覗き込み議論を交わす。
「以前は直感や精神論に頼る部分が大きかったんです。でも今は違います」
そう語る主力選手の声には自信が満ちていた。導入されたのは、動作解析ソフトウェアを活用したバイオメカニクス的アプローチだ。スイング速度だけでなく、バットの入射角や身体の軸移動を数値化。練習メニューの決定権の多くを選手たち自身が握り、課題に応じた専用ドリルを自ら組み立てる。科学的根拠に裏打ちされた「自主性」こそが、私立の強豪校とも対等以上に渡り合う独自の練習法である。