日本で根強い人気を誇る血液型性格診断。その始まりを遡ると、1920年代に教育心理学者の古川竹二が発表した研究論文に行き着く。当時は学術的な試みとして始まった考察だったが、1970年代に入り能見正比古による著書が爆発的なブームを巻き起こしたことで、一気に国民的な関心事へと昇華した。
一方で、生物学的な根拠はどうなのだろうか。輸血や献血活動の現場で安全な血液供給を支える日本赤十字社は、ABO式血液型分類を赤血球表面の糖鎖構造の違いとして厳密に定義している。また、国立精神・神経医療研究センターをはじめとする現代の専門機関や医療・ヘルスケア分野の知見では、遺伝子や脳機能と性格形成の直接的な因果関係を示す実証データは乏しいとされる。つまり、血液型と性格の結びつきは生物学的真実というより、人々のコミュニケーションを円滑にする社会的な文化現象として定着した側面が強い。