最高指導者の妻として公の場に登場してから十数年が経過した現在、リ・ソルチュ最新動向には明確なフェーズの変化が見て取れます。かつて金正恩氏の腕に手を添えて遊園地の視察や国際首脳会談に同席していた「若々しくモダンなファーストレディ」の姿から、現在は国家の最高序列を陰で支える「国母」としての風格を強調する演出へとシフトしています。
韓国統一部の定例分析および平壌の国営メディア報道を精査すると、公式報道における彼女の呼称は「リ・ソルチュ同志」から2018年以降「尊敬する李雪主女史」へと昇格したまま維持されています。公の場への露出頻度自体は、娘のキム・ジュエ氏が脚光を浴びる軍事関連イベントを中心に意図的にコントロールされているものの、主要な祝祭日や国家的な記念公演では金正恩氏のすぐ隣に着席し、揺るぎない正妻としての地位を維持しています。
平壌中枢を観察する情報筋の分析によれば、彼女の露出パターンの変化は失脚や不和ではなく、「次世代への権威継承プロセス」における役割分担の一環です。妹である金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長が「冷酷な対外スポークスパーソン・強硬派の盾」を担うのに対し、リ・ソルチュ夫人は「体制の道徳的正当性と家族の絆を体現する温かな後方支援者」として明確に棲み分けられています。