除細動器とは?Aedとの違いや電気ショックの仕組み・命を救う全知識

除細動器とは?Aedとの違いや電気ショックの仕組み・命を救う全知識

除細動器とは?Aedとの違いや電気ショックの仕組み・命を救う全知識について押さえておきたい 注意点を分かりやすい構成で解説いたします。

除細動器の進化は、据え置き型や携行型の体外式機器にとどまりません。過去に重篤な心室性不整脈を起こした患者や、ブルガダ症候群、心筋症などにより突然死のリスクが極めて高いと診断された患者に対しては、体内に機器を常駐させるアプローチが確立されています。

その代表格が植込み型除細動器(ICD:Implantable Cardioverter Defibrillator)です。小型の本体を左前胸部の皮下に埋め込み、静脈を経由して心臓内部に細い電線(リード)を留置します。心電図を24時間365日休むことなく監視し、心室細動や無脈性心室頻拍を感知すると、数秒以内に抗頻拍ペーシングや最大数十ジュールの電気ショックを自動で作動させます。2020年代以降は、血管内にリードを通さず、胸骨上の皮下に電極を沿わせる皮下植込み型除細動器(S-ICD)の適用も定着し、血管内感染症やリード断線といった構造的リスクを大幅に低減できるようになりました。

さらに、ICD手術を受けるまでの待機期間や、心筋炎後の一時的な不整脈リスクをカバーするツールとして存在感を高めているのが着用型自動除細動器(WCD:Wearable Cardioverter Defibrillator)です。電極とモニターが組み込まれた専用のベスト型ハーネスを日常生活の中で常時着用し、致死性不整脈を検知すると自動でジェルを放出して体外から電気ショックを与えます。意識がある状態での誤作動を防ぐため、患者自身が両手で応答ボタンを押してショックをキャンセルできるインターフェースが備わっており、医療機器テクノロジーは患者のQOL(生活の質)と安全の両立に向けて着実な進化を遂げています。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。