終盤8回、9回に入ると試合のスピード感はさらに加速する。広島が誇る鉄壁の救援陣は、150キロ超のストレートと落差の大きいフォークを武器に、ヤクルトの上位打線を力でねじ伏せにかかる。
しかし、ヤクルトの真の強さは下位打線の「しぶとさ」にある。ファールで粘り、甘い球を絶対に見逃さず、四球を選んで出塁する。上位打線のような派手さはないものの、相手投手に1イニング20球以上を投げさせる泥臭い攻撃が、確実に敵の抑え投手のスタミナとメンタルを削っていく。
単なるパワーとパワーのぶつかり合いではない。互いの長所を消し合い、泥にまみれながら1点をもぎ取ろうとする攻防は、観る者の胸を熱く焦がす。