ダイオウホウズキイカの生体構造が科学的に詳細解明された契機は、ニュージーランド水域外のロス海で操業していた漁船「サン・アスピリング号」による歴史的捕獲でした。捕獲された個体はニュージーランド国立博物館「テパパ・トンガレワ」へと空輸され、世界中の注目を集める中で大規模な解剖調査が実施されました。
当時、プロジェクトを率いたオークランド工科大学のスティーブ・オシェア博士ら国際研究チームの手記および公式解剖記録によると、以下の衝撃的な事実が確認されています。
- 世界最大の眼球構造:摘出された水晶体は大型のオレンジ大で、眼球全体の直径は27センチメートル以上に達していた。これは地球上の全動物の中で史上最大の測定値である。
- 巨大なカラストンビ(嘴):強固な筋肉に包まれた嘴は幅約43ミリメートルを超え、深海魚の骨やクジラの皮膚すら容易に噛みちぎる強度を保持していた。
- 卵巣内の膨大な卵:解剖された個体は成熟したメスであり、体内に数十万個におよぶ微小な卵を抱えていたことが判明した。
現在もテパパ博物館には、特殊な化学保存液で満たされた特注タンクの中にこの495キログラムの個体が常設展示されており、世界中から研究者や観光客が訪れる深海研究の金字塔となっています。