物語のクライマックスである「無限城編」において、猗窩座は竈門炭治郎および水柱・冨岡義勇と激突します。「透き通る世界」に到達した炭治郎の刃によって頸(くび)を切り落とされながらも、強さへの執念によって「首の弱点を克服して肉体を再生させる」という鬼の進化の極致に到達しました。
しかし、首を失っても戦い続けようとする彼の精神世界に現れたのは、父、師匠・慶蔵、そして許嫁・恋雪の姿でした。炭治郎の「強い者は弱い者を助け守る」という言葉が引き金となり、封印されていた人間時代の記憶が完全に蘇ります。
自身が本当に殺したかったのは弱者ではなく、理不尽に大切な人を奪われ、守る約束を果たせなかった「無力な自分」であったことに気づいた狛治。彼は再生しかけた自身の肉体に向けて「破壊殺・滅式」を放ち、自らの意志で命を絶つ道を選びました。無惨の精神的支配を振り払い、恋雪の魂に抱かれながら消滅していくその最期は、敵キャラクターの散り際として少年漫画史に燦然と輝く名場面です。