「グラマー」という言葉を国語辞典で引くと、おおむね「胸や腰が豊かで、からだつきに肉感的な魅力のある女性」「性的魅力にあふれた女性の姿」などと説明されている。小学館『デジタル大辞泉』では「からだつきが豊かで、肉感的な魅力のあること。また、そのさま。特に女性についていう」と記載されており、単なる「太っている」状態とは明確に区別されていることがわかる。
語源をたどると、英語の「glamour(魅惑・魔力)」に由来する。もともとスコットランドで「魔法のまじない」を意味した言葉が、18世紀に「魅惑的な美しさ」へと変化し、20世紀のハリウッド映画黄金期を通じて「グラマー女優」という形で世界に広まった。日本では1950年代、マリリン・モンローやジェーン・ラッセルといった「グラマー女優」の影響でこの言葉が浸透したが、ここで興味深い変化が起きる。
本来の「グラマー」は「華やかで官能的に魅力的」という雰囲気全体を指す言葉だった。ところが日本では「グラマー=お色気=豊満な体」という連想が優先され、いつしか外見的要素、とりわけ胸や腰のボリュームに焦点を絞った形容詞として定着した。編集部が確認した2026年時点のオンライン辞書や実用系メディアでも、この日本的用法が主流として記載されている。つまり「グラマー」は、日本においては“翻訳の過程で意味が特化した言葉”の代表例なのだ。