なぜ2セット?血液培養の正しい手順と失敗しない分注順序を徹底解説

なぜ2セット?血液培養の正しい手順と失敗しない分注順序を徹底解説

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感染症診療において、血液培養を「とりあえず1セット(好気・嫌気各1本)だけ採取する」行為は、現在では明確に不適切とみなされています。日本感染症学会や各種の菌血症敗血症ガイドラインが強く推奨するように、血液培養2セット採取の理由には明確な統計的・診断的根拠が存在します。

最大の理由は「検出感度の向上」と「コンタミネーション(皮膚常在菌の混入)の判別」です。臨床データによると、菌血症患者における起因菌の検出率は、1セット(血液約20mL)採取時で約73%、2セット(血液約40mL)で90%以上、3セット採取すると98%を超えると報告されています。つまり、1セットのみの採取では約4人に1人の菌血症を見逃す危険性があります。

また、検出された菌が「真の病原菌」なのか「採血時に混入した表皮ブドウ球菌などの常在菌(偽陽性)」なのかを鑑別する上でも、別々の部位から採取した2セットの結果照合が決定打となります。2セット中2セットから同一の菌が検出されれば真の感染症と判断しやすく、2セット中1セットのみから皮膚常在菌が検出された場合は偽陽性の可能性が高いと評価できます。

採取にあたっては、血液培養採取タイミングと血液培養の適正採血量の管理が必須です。最も推奨されるタイミングは「悪寒戦慄(シバリング)の出現時」や「体温上昇の直前〜初期」であり、何よりも抗菌薬の投与を開始する直前に採取を完了させなければなりません。採血量に関しては、成人用ボトルの場合、1本当たり「8〜10mL」(1セットで計16〜20mL、2セット合計で32〜40mL)を注入することが推奨されます。血液量が規定より少なすぎると偽陰性の原因となり、多すぎると培養液の比率が崩れて発育阻害を起こすため、ボトル側面の目盛りを目視で確認しながら採取する必要があります。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。