SNSやレビューサイトを精査すると、アフターダークに対する評価は「極上の香ばしさ」と絶賛する声がある一方、「思っていた味と違った」「水っぽい」「苦味が足りない」といったネガティブな意見に二極化しています。この評価の分断には、ビールのスタイルに関する構造的な認知のズレが存在します。
第1の誤解は、「ギネスのような重厚なスタウト(エール)」を期待して飲んでしまう点です。黒ビールといえば濃厚で重い上面発酵(エール)のスタウトを連想する消費者が少なくありません。しかし、アフターダークは下面発酵(ラガー)で作られる「ブラックラガー」です。後味がすっきりしているため、ドッシリとした重みを求めた層が「薄い」「水っぽい」と誤認してしまうケースが目立ちます。
第2の誤解は、「大手ピルスナーのような強い喉ごしと苦味」を求めた層の違和感です。普段から「キリン一番搾り」や「アサヒスーパードライ」などを愛飲している層が飲むと、ロースト麦芽由来のほのかな甘みやコーヒーのような香りに戸惑い、「ビールの味じゃない=まずい」という短絡的な評価につながることがあります。
第3の誤解は、「飲む温度帯とグラスの選択ミス」です。ブラックラガーはキンキンに冷やしすぎるとロースト香が閉じこもり、単に苦味の角だけが立ってしまいます。液温が10〜13℃程度に上がったときこそ真価を発揮しますが、冷蔵庫から出して即座にジョッキで流し込むような飲み方をすると、本来のポテンシャルを味わえません。