リハビリを進める中で、多くの患者が直面するのが「手術したのにまだ痛い」「足のむくみが引かない」という悩みです。痛みの原因がどこにあるのかを正しく理解していれば、過度な不安に陥ることなく適切に対処できます。
術後の痛みには、大きく分けて「創部・関節包の修復痛」と「筋肉・腱の過負荷痛」の2種類が存在します。
手術のメスを入れた皮膚や筋膜、切離した組織が治癒する過程で、術後2〜4週間程度は強い炎症性のズキズキとした痛みが現れます。これは創傷治癒に伴う生理的な反応であり、消炎鎮痛薬やアイシングで適切にコントロール可能です。一方で、退院後にリハビリ量を増やした際に生じる「太もも前側の張り」や「お尻の外側の鈍痛」は、長年変形性股関節症で衰えていた筋肉が急激に使われたことによる筋肉痛や腱炎が主な要因です。
こうした筋肉性の痛みは、運動負荷の調整と適切なストレッチによって術後2〜3ヶ月を境に徐々に軽減していきます。
また、手術後に「足全体がパンパンにむくんで治らない」という相談も頻発します。このむくみの正体は、手術時に切断された微小な血管やリンパ管の修復遅延と、歩行量が一時的に落ちることによるふくらはぎの筋ポンプ機能低下です。重力の影響で夕方に悪化しやすいため、日中は弾性ストッキングを着用し、就寝時にはクッション等で足を心臓より10cm程度高く保持する工夫が劇的な改善をもたらします。