大歩危峡観光遊覧船が年間を通じて高い評価を集め続ける最大の理由は、陸上の展望台や国道沿いからは決して拝めない「峡谷の最深部からのアングル」を唯一体感できる手段だからにほかなりません。約8kmにわたって続く大歩危・小歩危のなかでも、最も景観美が凝縮された約4kmのエリアを約30分かけて往復します。
吉野川の清流に浮かぶ舟に乗船すると、両岸にそびえ立つ高さ数十メートルの岩壁が視界を覆い尽くします。国の天然記念物および名勝に指定されている「含礫片岩(がんれきへんがん)」をはじめ、青灰色や緑色に輝く結晶片岩が規則正しく傾斜して並ぶ地質構造は、地質学的にも世界レベルの学術的価値を誇るものです。
また、熟練の船頭による巧みな竿さばきと、ユーモアを交えながら峡谷の成り立ちや歴史を語るライブ解説も大きな魅力です。春の新緑や岩ツツジ、夏の深緑とエメラルドグリーンの水面、秋の燃えるような紅葉、冬の静寂に包まれる雪景色と「こたつ船」など、四季折々に全く異なる表情を魅せる点が、リピーターを生み出す構造的要因となっています。