「寝ても寝ても眠い」という状態が単なる体調不良を超えている場合、中枢性または呼吸器系の病気である可能性を排除できません。特に認知度が高まりつつも自己判断が難しい代表疾患について、見逃してはならない兆候を整理します。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の隠れた危険性
中高年男性や肥満体型の人に多いと思われがちですが、実際には顎が小さい、あるいは後退している骨格の日本人女性にも非常に多く見られます。睡眠中に舌根が沈下して気道が塞がると、数十秒にわたって呼吸が停止します。血中酸素飽和度が急低下するため、脳は窒息死を防ごうと何度も覚醒命令を出します。本人は眠っているつもりでも、脳は一晩に何十回も起こされている状態であり、朝起きたときの強い口の渇きや頭重感、日中の抗えない眠気となって現れます。
ナルコレプシーと過眠症のセルフチェック
日中の強烈な眠気が発作のように生じ、会話中や食事中といった通常ではあり得ない状況で眠りに落ちてしまう場合、過眠症の代表格である「ナルコレプシー」が疑われます。代表的な症状として、大笑いしたり驚いたりした瞬間に膝の力が抜ける「情動脱力発作(カタプレキシー)」や、入眠直後の金縛り、鮮明な悪夢が挙げられます。また、年に数回、1日に16〜20時間も眠り続ける期間が数日から数週間続く場合は、「反復性過眠症(クライネ=レビン症候群)」という極めて稀な病態も考慮されます。
自分が過眠症の傾向にあるかどうかを客観視するために、国際的に広く用いられている「エプワース眠気尺度(ESS)」を活用した簡易確認が推奨されます。座って読書している時、テレビを見ている時、助手席に1時間乗っている時、午後に横になって休息している時などに「どの程度うとうとしてしまうか」を0〜3点で評価し、合計スコアが11点以上の場合は中等度以上の睡眠障害が疑われるため、医療機関への相談が推奨される明確な境界線となります。