群馬県中之条町で2年ごとに開催されてきたこの催しは、地域芸術祭の先駆けとして知られる。始まりは小さな草の根の試みだった。総合ディレクターを務める飯島三浩氏を中心に、中之条ビエンナーレ実行委員会が立ち上がったのは2000年代半ばのことだ。
過疎化が進む地域に外部からアーティストを呼び込む。当初は戸惑っていた地元住民も、作家たちが滞在制作を通じて町に溶け込む姿を見て、次第に自ら展示を手伝うようになった。地域に眠る歴史遺産や日常生活の道具が、作品の一部として新たな命を与えられていく。現代アートという未知の表現が、人々の日常と地続きになるプロセスそのものが、この芸術祭の真骨頂と言える。