この劇場の神髄は、尖った企画力と作品選定の鋭さにある。商業的なリスクから大手が敬遠しがちな独立系映画や、社会の深部に光を当てる本格的なドキュメンタリー映画が定期的にラインナップされる。スクリーンに映し出されるのは、華やかなスターの姿ばかりではない。時に過酷な現実であり、声なき人々の切実な主張である。
視覚刺激に満ちたエンターテインメントがあふれる時代だからこそ、真実を静かに見つめるドキュメンタリー映画の存在感が増している。観客は暗闇のなかで異国の文化や見知らぬ誰かの人生に没入し、自らの価値観を揺さぶられるような濃密な対話を体験するのだ。