若本の演技が真価を発揮するのは、特定のジャンルにとどまらない点にある。シリアスで重厚なストーリーが展開するSF・ファンタジーアニメにおいて、彼は作品全体の緊張感を極限まで引き上げる重鎮として君臨してきた。
一方で、近年のコメディ・ギャグアニメにおける彼の活躍も目覚ましい。シリアスなトーンのまま突拍子もないギャグを繰り出したり、セリフの語尾を過剰に引き伸ばしたりするセルフパロディ的な演出は、作品に爆発的な笑いをもたらす。シリアスとコメディという対極にあるふたつのジャンルを自在に行き来し、どちらにおいても唯一無二の爪痕を残すアプローチは、後進の若手声優たちにも多大な影響を与えている。