「見つけたら文房具のハサミで切ればいい」——もしそう考えているなら、即刻やめるべきだ。文房具や切れ味の鈍いハサミで髪を切ると、刃の圧力が断面を潰し、切断したその瞬間から新たな枝毛の種を作ってしまう。プロの現場では、髪の切り方一つにミリ単位の計算が働く。
トップスタイリストの木村直人氏は、セルフケアにおけるハサミの精度に強い警鐘を鳴らす。「切れ味の甘いハサミは毛髪繊維をすり潰すだけ。切るなら必ずヘアカット専用のハサミを使い、枝毛の先端から少なくとも1.5〜2センチ上を、毛流に対して垂直にスパッと切ることが鉄則です」。傷んだ部位だけをピンポイントで切り落とすトリミング技術が、毛髪全体の美しさを保つ鍵となる。専門的なヘアケアの知識を持ったカットこそが、被害の拡大を防ぐ防波堤だ。