東京・南青山にある岡本太郎記念館に足を運ぶと、平日・休日を問わず20代から30代の若年層が熱心に展示を見つめる光景が日常化しています。彼らが求めているのは、単なる「昭和レトロの鑑賞」ではありません。
大手ネット掲示板やSNS、知恵袋などの投稿を定点観測すると、現代人の切実な本音が浮かび上がってきます。
「タイパやコスパばかり気にして、何一つ情熱を持てない自分に嫌気がさしていたが、太郎の本を読んで目が覚めた」「空気を読むことばかり強制される職場で心がすり減っていたとき、『好かれようとするな、嫌われて当然と思え』という言葉に救われた」といった、生き方への問い直しに関する声が圧倒的多数を占めています。
効率と最適化が極限まで進んだ現代だからこそ、合理的計算からはみ出す「無駄で無謀な情熱」を肯定してくれる岡本太郎の言葉が、渇いた心に深く染み渡っている実情が窺えます。