言語を効率的に身につけるための学問体系である科学的英語勉強法第二言語習得論(SLA: Second Language Acquisition)では、人間が外国語を習得するプロセスが明確に解明されています。大人の脳が効率よく英語を処理できるようになるには、脳の認知プロセスに沿った「正しい順序」を踏む必要があります。
リスニングやスピーキングの成否は、脳内で行われる複数の情報処理ステップによって決まります。耳から入った音を正確に認識する「音声知覚」、その音を脳内の語彙・文法データベースと照合して意味を把握する「意味理解」、そして言いたいことを組み立てて口の筋肉を動かす「概念化・調音」という一連の処理です。
日本人の英語学習者が「聞き取れない」「話せない」と悩む場合、大半は最初のステップである音声知覚の段階で脳の処理容量(ワーキングメモリ)を使い果たしていることが研究で判明しています。英語特有の音の脱落(リダクション)や連結(リンキング)を認識できていないため、意味を考える余裕が残らないのです。したがって、まずは盤石な知識(語彙・文法)をインプットし、音声知覚を自動化させてからアウトプットへ移行するのが、認知科学における鉄則となります。