国家による大量監視の暴露劇もまた、人々に強烈な警鐘を鳴らした。元国家安全保障局(NSA)の告発者エドワード・スノーデンが明るみにした機密文書は、政府機関が民間IT企業の通信インフラへアクセスし、世界中の通信データを無差別にかき集めていた実態を証明してみせた。国家安全保障という大義名分の下で、個人の自由が容易に侵され得るという現実は、世界中に激震を走らせた。
この告発を機に、企業や政府に対する市民の不信感は一気に高まった。その結果、データ暗号化技術の導入や厳格なアクセス制御を求める声が急速に拡大。セキュリティ対策の強化を図るサイバーセキュリティ産業は、かつてないほどの急速な成長を遂げることとなった。防衛手段としてのセキュリティ技術と、それを上回る監視・情報収集の技術。このいたちごっこは、今この瞬間もデジタル世界の最前線で繰り広げられている。