零余子というキャラクターがこれほどまでに長く語り継がれる最大の要因は、その完成された秀逸なキャラクターデザインにあります。額から小さく生えた2本の角、目の下に刻まれた特徴的な紋様、切り揃えられた前髪とおかっぱ風の和装スタイルは、鬼でありながらどこか庇護欲をそそる可憐さを放っていました。
無惨の圧倒的な威圧感を前に、涙目を浮かべて怯え震える表情描写は、アニメーション制作スタジオ・ufotableの卓越した作画力も相まって視聴者に強いインパクトを与えました。「これほど魅力的なデザインの鬼を、わずか1話で退場させるのはあまりにも贅沢でもったいない」という反響が放送直後から殺到したのも必然と言えます。
さらにファンを驚かせたのが、担当キャストに『Fate/stay night』の遠坂凛役や『咲-Saki-』の宮永咲役などで知られるトップ声優・植田佳奈氏が抜擢されていた事実です。わずか数言の悲鳴と弁明のためだけに日本屈指の実力派を配役したキャスティングの豪快さは、作品の徹底したクオリティ主義を象徴するエピソードとして語り継がれています。