毎年秋に実施される「全国地域安全運動ポスターコンクール」では、全国の小学生から寄せられた数万点に及ぶ作品が厳正に審査される。警察庁や公益社団法人全国防犯協会連合会が主催する同コンクールにおいて、最高峰とされる警察庁長官賞をはじめとする上位入賞作には、その時代の社会情勢を映し出す明らかなトレンドが存在する。
近年、上位に選出される作品の傾向を分析すると、従来の抽象的な呼びかけから、より具体的でリアルな場面描写へとシフトしていることが分かる。例えば、暗い夜道でのスマートフォンの「ながら歩き」への警告や、防犯ブザーをすぐに手に取れる位置に装着する重要性など、現代の子供たちが直面する日常の危険に焦点を当てた構図が高い評価を得ている。見る側が「自分事」として捉えられる切実さこそが、選考の分かれ目となっているのだ。