土地の傾斜を利用して建てられたことからその名がついたとされる「三角市場」。全長約200メートルほどの細い坂道に、10数店舗の鮮魚店や食事処が肩を寄せ合うように立ち並ぶ。この独特の高低差と密度の高さこそが、他の市場にはない圧倒的なライブ感を生み出しているのだ。
水揚げされたばかりの活カニが水槽で跳ね、職人が目の前で豪快に魚をさばく。売り手と買い手の威勢の良い掛け合いは、まるで昭和のマーケットにタイムスリップしたかのような錯覚を覚える。効率化が進む現代だからこそ、この泥臭くも温かい人間味が人々の心を掴んで離さない。