医療用保湿剤の代表格であるヒルドイド(ヘパリン類似物質)。なぜ「膝の黒ずみヒルドイド効果」を期待して塗り続ける人が多いにもかかわらず、「効果がない」という評価が定着しているのでしょうか。製薬会社の添付文書や皮膚科臨床データを確認すると、その理由は極めて明確です。
ヒルドイドの主成分であるヘパリン類似物質の承認効能は、「保湿作用」「血行促進作用」「抗炎症作用」の3点に限られます。肌の水分保持能を高め、真皮層の血流を促す力には優れているものの、シミや色素沈着の元凶であるメラニン色素を分解・脱色する美白作用や、硬く積み重なった古い角質を溶かす角質融解作用は一切持ち合わせていません。
ネット上で「白くなった」と体験談が語られる背景には、血行促進によって一時的に肌のトーンアップが生じたケースや、乾燥による粉ふきが改善して光の乱反射が収まり、黒ずみが薄く見えたという視覚的錯覚が混ざり合っています。皮膚の構造上、すでに厚く硬化してメラニンが滞留した膝に対してヒルドイドだけを塗り続けても、根本的な黒ずみ除去には至りません。