ネット上の言説において、シゾイドパーソナリティ障害は「サイコパス(反社会性)」「感情のない冷徹なロボット」といった極端な誤解を受けることが少なくありません。しかし、これは明確な誤りです。
反社会性パーソナリティ障害(サイコパス)は、他者を自己の利益のために利用・搾取し、意図的に傷つける行動を取ります。対照的に、シゾイドは他者に無害であることを最優先とし、争いや支配を嫌悪して自ら身を引きます。誰かを陥れたりコントロールしたりする意図は一切なく、「ただそっとしておいてほしい」と願っているに過ぎません。
また、原因と対処法に関する臨床的アプローチにおいても、無理に社交性を高める矯正教育は逆効果とされています。精神分析の現場では、幼少期の過干渉な養育環境や、情緒的欲求が満たされなかった経験への適応戦略としてシゾイド的防壁が形成されると考えられています。そのため、本人が苦痛を感じていない単独行動を「治すべき異常」として扱うのではなく、社会生活を破綻させないための現実的な生活技術(最低限の挨拶や事務連絡の遂行)を身につけることが現実的な対処法となります。