カワウソがここまで貪欲に動物性タンパク質を求める背景には、進化の過程で獲得した特殊な身体構造があります。カワウソの肉食性の理由は、極めて短い消化器官と、哺乳類の中でも突出して高いエネルギー代謝率に直結しています。
草食動物や雑食動物のような長い腸や複雑な胃を持たず、摂取した肉や魚はわずか2〜3時間程度で消化・排泄されます。つまり、植物性の炭水化物や食物繊維をじっくり発酵・分解してエネルギーに変える能力が根本的に備わっていません。
さらに、水中を俊敏に泳ぎ回る筋肉量と体温維持のために莫大なカロリーを消費し続けます。そのため、成獣であってもカワウソの1日の食事量は自身の体重の約15%〜20%(体重4kgの個体であれば1日に約600g〜800g)という驚異的な分量を要求されます。一度に大量に溜め込むことができないため、カワウソの飼育費用と餌の頻度を管理する施設では、1日最低でも3回〜4回に分けて新鮮な生餌を給餌する厳格なスケジュールが組まれています。