物語初期の猫猫にとって、壬氏の評価は散々なものでした。「粘つくような美貌」「ナメクジを見るような目で見てしまう相手」「面倒な事件を持ち込んでくる厄介な上司」。そんな猫猫の感情は、どのように変化していったのでしょうか。
1. 初期:警戒と損得勘定のビジネス関係(原作1〜2巻)
猫猫はトラブルに巻き込まれることを極度に恐れており、壬氏の美貌の毒牙にかからないよう、意図的に無感情・塩対応を徹底していました。壬氏にとっても、自分の美貌に靡かない猫猫は「面白い玩具」のような存在でした。
2. 中期:有能なパートナーへの信頼と庇護欲(原作3〜5巻)
数々の難事件を共に解決する中で、猫猫は壬氏が単なる享楽的な宦官ではなく、国の行く末を憂い、身を削って働く誠実な統治者であることを知ります。壬氏のピンチを救うため、自らの危険を顧みずに行動する場面が増えていきます。
3. 後期:恋愛感情の自覚と「心理的バウンダリー」の葛藤(原作6巻以降)
壬氏の男としての情熱や正体を知った猫猫は、彼を単なる仕事相手として見ることができなくなります。しかし、花街で「男の愛の移ろいやすさ」と「女の悲惨な末路」を見続けてきた猫猫は、安易に恋に身を委ねることを強く恐れます。自立した薬師としてのアイデンティティと、壬氏への情愛の間で揺れる姿こそが、読者の共感を呼ぶ最大の要因です。