2026年、バルセロナの空にそびえるサグラダ・ファミリアは、建設史上最大の節目を迎えました。アントニ・ガウディ没後100年のメモリアルイヤーにあわせ、中央に位置する高さ172.5メートルの「イエスの塔」が完成を迎え、現地の熱気は最高潮に達しています。この世紀のプロジェクトにおいて、長年現場を牽引してきた外尾悦郎氏の存在感は今なお絶大です。
現在70代を迎えた外尾氏は、主任彫刻家としての重責を果たしながら、彫刻工房での実制作のみならず、世界中から集まる若手彫刻家や石工たちの技術指導・精神的支柱として活動を継続しています。公式の記者会見や現地メディアの取材に対し、外尾氏は「塔の頂点が見えたとしても、石に祈りを込める作業に終わりはない」と語り、今も変わらず毎朝作業着に身を包んで現場へ足を運んでいます。
近年はサグラダ・ファミリアの最終盤となる装飾ディテールの監修に加え、日本とスペインの文化架け橋となる講演活動や、後進へ技術を継承するためのアーカイブ事業にも情熱を注いでいます。その妥協なき眼差しは、半世紀前の渡西当時と何ら変わっていません。