初音ミクを語る上で欠かせないのが、技術基盤となったヤマハ株式会社の音声合成エンジン「VOCALOID」だ。この基幹技術を用い、デスクトップミュージック(DTM)の世界に大革命を起こしたのが、札幌に拠点を置くクリプトン・フューチャー・メディア株式会社である。
同社は単に音声を再現するソフトウェアを販売したのではない。「音楽制作ソフトにキャラクターを授ける」という前例のない挑戦に出た。従来の音楽ソフトウェア産業では、機材や音源は「プロのための裏方ツール」に過ぎなかった。しかし、パッケージに描かれた可憐な姿と歌声が一体化したことで、DTMは一気に一般のリスナーや若者にとっても身近な表現手段へと変貌を遂げたのだ。