占有者とは?所有者との違いと勝手に追い出せない法律の盲点を徹底解説

占有者とは?所有者との違いと勝手に追い出せない法律の盲点を徹底解説

占有者とは?所有者との違いと勝手に追い出せない法律の盲点を徹底解説とは一体何なのか? 専門的な分析を整理してお届けします。

裁判所の競売市場において、長年にわたり投資家や一般買受人を悩ませてきたのが競売物件の占有者トラブルだ。かつてはバブル崩壊期を中心に、「占有屋」と呼ばれる専門の妨害業者が競売直前の物件に短期賃借権などを悪用して居座り、法外な立ち退き料を買受人から巻き上げる手口が横行していた経緯がある。

こうした弊害を打破するために導入され、現在の実務で中核を担っているのが民事執行法第83条に基づく不動産引渡命令と明渡し経緯の迅速化だ。引渡命令とは、競売物件の代金を納付した買受人の申立てにより、裁判所が簡易な審尋手続きのみで占有者に対して物件の引き渡しを命じる制度である。通常の民事訴訟を起こすことなく、代金納付の日から6ヶ月以内に申し立てれば、最短数週間から1ヶ月程度で債務名義(強制執行の根拠)を取得できる。

法改正以降の裁判所競売占有者の権利ニュースで特に注目すべきは、短期賃貸借保護制度の廃止に伴い創設された「建物の明渡し猶予制度(民法第395条)」の運用実態だ。抵当権設定登記の後に賃貸借契約を結んだ占有者は、競売によって所有権が移転した際、原則として買受人に対抗できない。ただし、生活の激変を緩和するため、買受人が代金を納付した時から最長6ヶ月間は建物の明渡しが猶予される。

しかし、この明渡し猶予は「タダで住み続けられる権利」ではない。占有者はその6ヶ月間、敷地や建物の使用相当額(賃料相当額)を買受人に支払う義務を負う。もし占有者が1ヶ月分でもその支払いを怠り、買受人から催告を受けても相当期間内に支払わない場合、明渡し猶予の権利は即座に消滅し、買受人はただちに引渡命令に基づく強制執行へ踏み切ることが可能となる。

山下 哲也
著者

山下 哲也

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。