巨大な地震が発生した際、地盤を通じて放出される波には様々な周期が含まれる。その中でも、周期が数秒から十数秒に及ぶ長い振動は、遠方まで衰退せずに伝播していく性質を持つ。粘土層や堆積層が厚く発達した平野部にこの波が到達すると、地下構造の中で反射と屈折を繰り返し、揺れの波形が著しく増幅される。
ここで致命的な問題となるのが「共振現象」だ。建物の高さが増すほど、その構造体が自然に持つ振動周期(固有周期)は長くなる。遠方の震源から流れてきた長周期の波と、超高層ビルの固有周期が一致したとき、振幅は爆発的に大きくなる。阪神・淡路大震災や東日本大震災の際にも見られたこの現象は、建物自体の全壊を免れたとしても、内部の居住環境やオフィス機能を壊滅状態に追い込む威力を持っている。