ネット上の進学フォーラムやSNSでは、時に事実と異なる噂が独り歩きしています。現場取材で判明した代表的な2つの誤解と盲点を解き明かします。
第1の盲点は、「大阪府の高校授業料完全無償化は全生徒に自動適用される」という誤認です。2026年度から学年制限・所得制限が撤廃された大阪府の無償化制度ですが、その必須条件は「生徒および保護者が大阪府内に住所を有していること」です。同校は京都府境に隣接する島本町に位置するため、京都府(大山崎町、長岡京市、向日市、京都市など)から通学する受験生も多数存在します。しかし、府外生は国の高等学校等就学支援金(年額最大39万6,000円)の対象にしかならず、大阪府独自のキャップ制無償化は適用外となります。府境をまたぐ越境受験生は、家庭内での学費シミュレーションを綿密に行わなければなりません。
第2の盲点は、「回し合格で進学コースに受かれば万全」という心理的トラップです。公立高校(例えば三島高校や千里高校)の滑り止めとして特進Sや特進コースに出願し、結果として進学コースに回し合格となったケースでは、生徒本人のモチベーション低下(学歴コンプレックス)が発生しやすい傾向が見られます。
進学コースは前述の通り、産近甲龍や指定校推薦を目指す生徒が多数を占めるため、国公立大学志望の空気が強い公立校や特進Sとはカリキュラムや周囲の学習熱量が大きく異なります。「回し合格で入学した場合、途中で特進や特進Sへのコース変更(進級時の成績優秀者転コース制度)を本気で狙う覚悟があるか」を、出願前に親子で明確に話し合っておく必要があります。