食事の見直しに着手する前に、まず直視すべきは自身の客観的な検査数値です。日本動脈硬化医学会が策定する脂質異常症診断基準において、LDLコレステロール基準値は以下のように明確に区分されています。
- 適正値:120mg/dL未満
- 境界域高LDLコレステロール血症:120〜139mg/dL
- 高LDLコレステロール血症:140mg/dL以上
血中のLDLコレステロールは、本来であれば全身の細胞へ必要なコレステロールを届ける重要な運搬役を担っています。しかし、血中に過剰に滞留すると血管壁の内皮細胞に入り込み、活性酸素によって「酸化LDL」へと変質します。これを排除しようと集まったマクロファージが死骸となって沈着し、血管壁にドロドロとしたプラーク(粥腫)を形成するのです。
自覚症状がまったくないまま血管の内腔が狭まり、ある日突然プラークが破綻して血栓を作り、血流を完全に遮断するのが急性心筋梗塞や脳梗塞の恐るべきプロセスです。「少し基準値を超えているだけだから痛くも痒くもない」と数値を放置することは、時限爆弾のタイマーを自ら早める行為にほかなりません。