地元では今なお「野田線」の名で親しまれる同線ですが、2014年4月に「東武アーバンパークライン(東武都市公園線)」という路線愛称が正式導入されました。正式名称である「東武野田線」を維持しつつ、対外的な案内を愛称へ統一した背景には、東武鉄道が描いた明確なイメージ刷新戦略があります。
かつての野田線は、単線区間が多く残り、旧型車両(8000系など)が余生を過ごす「郊外のローカル線」というイメージが定着していました。しかし実態は、さいたま市の大宮、柏市、船橋市という中核都市を結び、JR各線やつくばエクスプレス、東京メトロと交差する首都圏有数のドル箱環状路線です。沿線に大宮公園、清水公園、柏の葉公園、ふなばしアンデルセン公園といった大規模な都市公園(Park)が点在し、ベッドタウン(Urban)が急速に発展している特性を掛け合わせ、ファミリー層の定住促進を図る目的で名付けられました。
導入当初は「名前が長すぎる」「野田線のままで良い」といった戸惑いの声がSNSや駅利用者から相次ぎました。しかし、新車60000系の青と緑のグラデーションカラーや駅ナンバリングの浸透、さらには「柏の葉キャンパス」「流山おおたかの森」を中心とした子育て世代の流入により、約10年を経て若い世代を中心に「アーバンパークライン」「アーバン」の呼称が定着しつつあります。