著者の額賀澪は、松本清張賞を受賞したデビュー作『屋上のウインドノーツ』でも知られる、青春群像劇の名手だ。本作『風に恋う』は、文藝春秋から刊行され、のちに文春文庫として文庫化、さらにAmazon Kindleなどの電子書籍プラットフォームでも根強い人気を誇っている。
出版業界においても「吹奏楽小説の新たなる金字塔」として高く評価されており、部活に青春のすべてを捧げる高校生たちのリアルな空気感が、精緻なタッチで描写されている。実際に吹奏楽を経験した者であれば誰もが頷くような、楽器固有の悩みや合奏時の緊張感が紙面いっぱいに広がる。