ネット上の掲示板やSNSでは、時折「満員電車の中でパイプ椅子を広げて平然と座っている人がいた」「ドア付近に折りたたみ椅子を置き、スマホを操作している姿を見て耳を疑った」といった告発ポストが拡散され、猛烈な批判を浴びています。こうした満員電車での椅子使用トラブルは、単なるマナー議論にとどまらず、現場での怒号や警察沙汰へ発展する危険性を孕んでいます。
大手私鉄の現役車掌や駅務員への取材証言によれば、車内での簡易椅子利用を発見した際は「他のお客様の通行の妨げとなるほか、急停車の際に大変危険ですので、ただちにお畳みいただき手荷物としてお持ちください」と車内放送または直接対面で指導を行うのが標準手順となっています。万が一、乗務員の指示に従わない場合は、鉄道営業法第34条や旅客営業規則に基づき、乗車を拒絶されたり途中駅で降車を命じられたりする法的根拠が存在します。
一方で、当事者の心理としては「腰痛が悪化して立っているのが耐えられない」「長時間の満員電車で貧血を起こしそうだった」といった体調不良に起因する切実な動機が語られることもあります。しかし、どれほど体調が辛い状況であっても、安全確保がなされていない簡易椅子を走行中の車内で展開することは、急停車時に自身が放り出されるだけでなく、周囲の人骨折事故を誘発する凶器になり得ます。体調が優れない場合は、周囲に声をかけて席を譲ってもらうか、無理をせず次の駅で一度降りて駅事務室やホームベンチで休養を取るのが鉄則です。