中央集権の対極に位置する概念が「地方分権」です。両者の隔たりは単なる行政手続きの違いにとどまらず、主権者である市民の生活や地域社会のあり方を根本から左右します。
中央集権と地方分権の違いを決定づける要素は、主に「意思決定のスピードと範囲」「財源の自主性」「現場への即応力」の3点に集約されます。
中央集権体制では、国政レベルの大規模プロジェクトや外交・防衛の判断において圧倒的な合目的性と統制力を発揮します。しかし、現場の個別具体的な課題に対しては、認可手続きや稟議の多層化によって対応が後手に回りがちです。
対して地方分権では、自治体が独自の条例制定権や課税自主権を持ち、地域住民のニーズに直結した施策を迅速に展開できます。しかし、自治体ごとの財政格差や行政サービスの質のバラつきが生じるトレードオフを内包しています。憲法第8編が保障する地方自治の本質は、中央の統制から脱却し、地域課題を自らの意思と責任で解決する「自己決定権」の確立にあります。