ワクチン接種の要否は、愛猫を「擬人化」した過剰な心配や、逆に「自然派志向」による盲目的な医療拒否ではなく、客観的なリスクベネフィット(危険性と便益の比較)に基づいて下されるべきです。
ワクチン接種の継続・3年周期を検討すべき条件
- 年齢が1歳〜7歳程度の健康な成猫(基礎免疫を強固に保つ必要がある時期)
- ベランダに出る、脱走のリスクがある、または同居猫が頻繁に出入りする環境
- 将来的にペットホテルやキャットシッターの利用予定がある場合
- 保護猫の預かりボランティアなど、外部から新しい猫を迎える可能性がある家庭
ワクチン接種の見直し・中止(やめる)を前向きに検討すべき条件
- 10〜15歳以上の高齢期(シニア期)に入り、慢性腎臓病などの持病がある猫
- 過去のワクチン接種後に、高熱や顔面浮腫、アナフィラキシーショックを起こした猫
- 抗体価検査を実施し、FPVなどの主要ウイルスに対する十分な抗体が確認された猫
- 通院自体が激しいパニックや持病悪化(心疾患の悪化等)を引き起こす極度のストレス過敏猫
なお、今後接種を継続する場合でも、注射部位肉腫のリスクを低減するため、首の後ろ(肩甲骨の間)ではなく、「後肢の遠位部(足の低い位置)や尾部」への接種を獣医師に依頼することが国際的な安全基準となっています。万が一切除が必要になった場合でも、四肢であれば断脚手術によって生命を救うことができるためです。