映画館のポップコーンはなぜうるさい?売り続ける劇場の本音とマナー

映画館のポップコーンはなぜうるさい?売り続ける劇場の本音とマナー

映画館のポップコーンはなぜうるさい?売り続ける劇場の本音とマナーについて詳しく解説いたします。専門家の見解をご覧ください。

これほど苦情が多いにもかかわらず、映画館がポップコーンの販売を取りやめないのはなぜでしょうか。そこには、映画興行の歴史と劇場のシビアな収益構造という2つの決定的な理由が存在します。

歴史の原点は1930年代のアメリカに遡ります。世界恐慌の時代、映画がサイレントから音のある「トーキー映画」へと移行したことで、文字の読めない大衆も劇場へ押し寄せるようになりました。当時、路上で安価に手に入ったポップコーンは庶民の最大の娯楽食であり、劇場経営者が売店を併設して販売したところ、恐慌下でも映画館を倒産から救う爆発的なヒットを記録しました。他のお菓子に比べてトウモロコシの種は安価で保存が利き、製造設備も手軽だったため、映画館の標準フードとして世界中に定着したのです。

そして現代においても、ポップコーンは劇場の生命線です。映画の入場料収入の約半分は配給会社や製作会社への配分(映画料)として支払われますが、売店(コンセッション)の売上はほぼ全額が劇場の利益になります。なかでもポップコーンは原価率が極めて低く、劇場の設備投資や人件費を維持するために欠かせない最大の収益源です。映画館にとって「ポップコーンを禁止する」という選択肢は、自らの経営基盤を放棄することと同義なのです。

森 瞳
著者

森 瞳

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