「すべてのメガネは左からたたまなければならない」という言説がネット上で定着しているが、ここには一部の例外が存在する。アイウェアの深淵な世界において、一律のルール適用は時として誤解を生む。
実は、海外の一部のヴィンテージフレームや、高級テーラーメイド眼鏡、あるいは特定の海外ブランド(ヨーロッパ系のクラシシックモデルの一部)では、「右テンプルからたたむ構造」を採用している個体が実在する。また、オーダーメイドで左利き専用にヒンジを反転加工した特注フレームもこれに該当する。
「自分のメガネがどちらなのか判別できない」という場合は、無理に力を入れず、両方のテンプルを軽く指先で倒してみてほしい。抵抗感がなく、レンズ面と美しく平行に収まる方が「内側に来るべきテンプル」である。もし右を倒したときにフラットになり、左を倒したときに浮き上がるなら、そのフレームは右先たたみ設計だ。ネットの情報を鵜呑みにして「左からたためと書いてあったから」と無理に押し込むことこそ、破損の最短ルートになりかねない。自身のフレームが持つ固有の設計を観察する視点が不可欠である。